窓を開けて季節を楽しむ!

 もう20年くらい昔の話である。当時ミサワホームの代表社長三沢千代治氏の講演会を聞きに行ったことがある。その講演の中で特に印象に残ったお話は、「家を建てるなら夏を旨とせよ。」そのお言葉に、私はかなりの感銘を受けました。それは、日本の酷暑を快適に過ごせるなら後のシーズンは楽に過ごせるというものだ。そう20年前の住宅状況ではオール電化や全部屋エアコン完備には少し無理があった。従って夏には戸を開けて外気を通し部屋の中を換気する時代であった。関東より以北では、網戸が無くとも、虫が夜中に入る心配も無く、涼しい風が部屋を抜ける快適さがあった。以西でも網戸があれば思いっきり窓を開けで季節を楽しむことが主流であった。いや日本の文化自体それが自然であったと思います。
 しかるに最近の住宅状況は、全部屋エアコン完備で一年中一定温度で快適であろう。私が不思議に思うのは、「あれ?住宅の南面でも、ひさしが無い」のには、驚きと違和感を覚えるにはいられない。「雨の日には、窓を開けないのかしら?夏の日差しの直射日光はどうやって防ぐのだろう?
 それは、全てエアコン等の完備により大丈夫なんだそうだけど、部屋の壁に小さな換気口があり外気をとりこんでいるそうな。ふ〜ん!?
 そうなんだ!?でも我々昭和の二十年代に生まれ育った世代には、何となく違和感を覚える。
 私が学生時代東京の片隅でアパートに入っていた頃は、友人が遊びに来たときなどは窓を開け語らい歌い笑い涙した時代であったと記憶している。
 特に入梅の頃など、じめじめするものだから窓を開け糸を引くような雨を眺めながら詩などを読んで感嘆したりラジオレコーダーで音楽を聴く。近くで電車の走る音がガタンゴトン聞こえていました。
 古来日本の暮らしは、縁側で人と歓談したり寝そべったり、と夏の日々を過ごすのが風土に合っていると思う。
 思いっきり外気を入れて自然なスタイルが良いと思う。その方がお互い安上がりで環境にも、いいじゃないかな?